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国政報告
参議院予算委員会
平成二十四年度一般会計予算、平成二十四年度特別会計予算、平成二十四年度政府関係機関予算

平成24年4月4日(水曜日)

    

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○石井一予算委員長 次に、舛添要一君の質疑を行います。舛添君。

○舛添要一 今日は、野田内閣の基本姿勢というテーマでございますので、ここのところずっと民主党政権の在り方を見てきて私が感じるところを率直に申し上げたいと思っています。
 民主党が掲げる政策、様々な理想が込められていますし、例えば控除から手当へと、こういう税制改正の方向については私は合っている、適切だと思っていますし、格差の是正をうたっていることについても今の時代の要請にかなっていると思っております。
 じゃ、そういう政策がなぜ実現できないのか。皆さん方、これはねじれ国会だということをおっしゃいますけれども、しかし、私は安倍内閣、福田内閣、麻生内閣で大臣を務めましたけれども、そのときもねじれ国会でした。だから、ねじれ国会に全ての責任を押し付けるわけにはいかないと思います。私は、最大の問題は、総理、理想はいいんですが、現実の裏打ちがないとそれは政策として失敗すると、そのことに尽きると思います。
 じゃ、そのためにどうすればいいか。一つは、徹底した情報公開なんです。そして、現場第一主義。実務者、現場、これが分からなくて、霞が関だけ、永田町だけで政策立案することはできません。今日、私が具体的にも格闘した、大臣として苦労した二つの問題を例に取りながら、そのことを申し上げて、また総理の御見解を賜りたいと思います。
 一つは新型インフルエンザ対策。この度、新型インフルエンザ等対策特別措置法というのが衆議院で通りました。私はこれ、よく読んでみた。しかし、残念ながら、私が新型インフルエンザに大臣として対応したときの経験、それが十分に生かされていない。つまり、もっと言うと、危機管理というのは、この法律を作ることが危機管理じゃないんです。むしろ逆行する面があるということを、これは同僚の皆さん方にも申し上げて、内閣委員会で審議されますから、私は是非、参議院においては参議院らしい議論をして必要な修正を加える、そういうことを同僚の皆さんにも申し上げたいと思います。
 総理、具体的に申し上げた方がいいんで、あのときは強毒性の、つまり、鳥インフルが来るということで全部厚生労働省の行動計画作っていた。最初、強毒かどうか分かりません。メキシコで七十人死んだというから、これは大変だと。しかし、やってみたら豚インフルで弱毒だったんです。作ったもの、何の役に立たないどころか、手かせ足かせになってしまう。
 それで、もう一つ具体的に言いますと、発熱外来を病院につくって、新たに造るんですよ、建物を。造るって、プレハブでもいい。そこに患者を連れてきてそこでやれと。これ、現実にやって、現場、神戸ですよ。野戦病院のようになって、医師は足りない、大変だった。結果は、そんなところに連れてこないでタミフルを飲ませてうちにじっとさせておくのが最適だったというのは後で分かるんですね。だけど、このときに、厚生省の役人、医師免許を持っている医系技官が分かりますか、大臣が分かりますか、総理が分かりますか。分かっているのは現場の第一線で闘っているお医者さんなんですよ。患者の症状がどうだ、どれぐらい熱がある、子供にとってどうだ。だから、最終的に現場に任せると。私は大臣の責任、私、責任取るから全部現場でやれと、発熱外来やめて、それによって動くようになった。
 それからもう一つは、これは大阪の橋下知事が、あの当時、何とか助けてくれと携帯電話へ掛けてきた、どうしようもない。それで学級閉鎖やるんですよ。ところが、大阪市と堺市は政令指定都市だから知事の権限が行かない。大阪府はやるんだけれども、大阪市と堺市で学級閉鎖やらなきゃ物すごい蔓延になる。さあ、それでやりました。もう翌日から大阪市、堺市も後、続いてきたんですけれども、今度は解除するのが難しいんです。つまり、早く解除しないと日常活動ができなくなる。今度、大阪府知事は、何とか解除してくれと。そのときになぜできたかというと、つまらぬ法律がなかったからできたんです、はっきり言うと。つまり、手かせ足かせがあったらできないんで。今、感染症法というのがあります、検疫の法律があります、予防接種法があります。それだけを十分に活用して、大臣がしっかりして、厚生労働省もしっかりして、総理大臣もしっかりしていたらできないことないんです。
 ところが、この法律の中に私が今言った政令指定都市の問題があるから、これは知事の権限でやれるようになっている。そこはいいんですが、厚労大臣や知事がお医者さんにこうやれということを指示できることになっているんですよ。総理、分かりますか。総理は医者じゃないでしょう。私も医者じゃないですよ。インフルエンザが来たときに現場の医師に任せた方がいい。現場の医師がこう変えてくれって言ったら聞きますよと書いている条文ならいいけれども、おまえらのやることは適切じゃないから大臣や知事はつまり命令してこうさせるような文言があるんですよ。
 例えば、こういうことをきちんと議論、民主党の中で、これ閣法で出していると思うので、おやりになったのかどうなのか。是非これは、同僚の皆さんに申し上げますけれども、よく議論しないと、これを作りゃ危機管理じゃないよということなんです。いかがでしょうか。

○野田佳彦内閣総理大臣 新型インフルが発生をしたときのまさに当時の責任者のお話でございますから、重く受け止めなければいけないというふうに思います。大事なことは情報公開と現場主義という御指摘、冒頭ございました。基本的にはそのとおりだと思うんです。今回も、三年前の教訓を踏まえて、現場感覚を取り入れようという姿勢はもちろんあるんです。
 したがって、先ほどの知事の権限等のお話等も入れさせていただいておりますけれども、しかもこれまでの三年前にかかわった人たち、あるいは専門家の知見等々も踏まえて、法律としてより有効に機能させるために今回法案を出しましたけれども、ただ、精神として現場が大事だということはまさにそのとおりだと思いますので、今御指摘いただいたところは、何がちょっと現場を阻害するのかよく私自身もチェックしたいと思いますが、現場の足手まといになるようなことの法律であってはならないと思いますので、そこは改めてよくチェックさせていただきたいと思いますが、また国会の中でもそういう御議論が幅広く行われることを強く期待をしたいと思います。

○舛添要一 皆さんのために申し上げておきますけれども、第三十一条なんです。これ、よく読んでみてください。ですから、かえって邪魔になる可能性があるところは、我々は立法府としてこれはきちんと修正は加えるべきは加えるべきだということを申し上げて。
 それから、余りに国民を愚民視しちゃいけないと思いますよ。日本国民、賢明です。昨日、台風並みの嵐来るといったら、私、夜、出かける用事があったんですけれども、みんな早く帰っている。それで、あのときゴールデンウイークでした、新型インフルエンザのときに。全部イベント、大臣がやめろと言ったわけじゃないですよ、みんなやめましたよ。今回の震災対応にしても、現場がみんな頑張っている。政権側が、申し上げにくいけれども、いろいろな問題があって追い付いていないということがあるので、どうか、今言ったような問題。
 それから、総理大臣と厚労大臣と知事の権限分担をどうするのかだってはっきりしないんです。私のとき、一言申し上げますと、もう緊急を要するときに、一回一回官邸の総理がオーケー出さないと動かないということになっていたんですよ。これじゃ話になりません。だから、総理が厚労大臣に下ろす、厚労大臣が知事に下ろす、もう知事も医者じゃないから現場の医者に下ろすと、こういうことがきちんと担保される。
 まあ、もし総理がこれでやれると思われるのならそれで構わないんですけれども、是非、これは附帯決議でも何でも構いません、我々は良識の府の参議院ですから、これは与野党を超えて、是非そういうことをやりたいということを皆さん方にも、同僚の皆さん方にも御提案申し上げて、政府にもお願いしておきます。
 それからもう一つ、年金制度改革に関係ありますけれども、これは年金記録の問題で大変苦労しました。この問題が実は政権交代の引き金にもなりました。そこで、じゃ年金記録どうなったのということで、大変、私も努力しましたし、この民主党政権も努力を続けてくださっていると思っていますが。
 そこで、実を言うと、記録の現場ということをしっかり押さえてなければ、いろんな民主党が提案している構想が駄目になるんですよ。一つ、歳入庁構想。マイナンバー、基礎番号ですね。それからパートへの適用拡大。それから被用者年金の一元化。
 だから、現場の意見と実務者の意見を聞けと言ったのは、例えば共通番号、これは私もいいと思いますよ。ソーシャル・セキュリティー・ナンバーというのがアメリカでもあって、先進国みんな持って、これがいいんだけれども、じゃ、総理、人口の数と番号の数、一緒じゃないといけませんね、当たり前ですよね、一人一番付けるんですから。今、日本で人口の数と基礎番号でそご、多かったり少なかったりするのがどれだけあると思いますか、もしお分かりになれば。私から言ってもいいですけれども。

○野田佳彦内閣総理大臣 これ、必ずしも一人一つの番号ではないということは承知をしていまして、私が把握している感じでは、日本年金機構が新たな調査を実施して、基礎年金番号を複数持っている人が約二十万人いると推計をしているというふうに聞いております。

○舛添要一 それは、そういう数字を総理に与えちゃ駄目なんですよ、日本年金機構が。
 だから、それは、私が今言ったのは、人口の数と番号が違うのが五百六十八万人なんです。サンプル調査で二十万って出ているけど、本当に二十万かどうか分からない。さんざん言われたじゃないですか、私が大臣のときに長妻さんが立って、サンプル調査、サンプル調査、サンプル調査。そのサンプル調査が二十万人なんですよ。五百六十八万人という数字を重く見て、分かりませんよ、中身は、だけれども、例えばそういうことをきちんとやった上でないと、じゃ何年掛けてどれだけのコスト、これも私が大臣のときに同じことを言われたから、工程表を作って、何年掛けて何億円掛かってやるんですか。それやらないと、総理、マイナンバーできません。
 それから、歳入庁構想。これもいろんな問題があって、特に社会保険庁の問題があったからこれはいいんですが、まず収納するときに、税金の収納と保険料の収納は考え方が違う。それから、システムですよ、要するに記録。何で年金記録の問題があんなに出てきたかといったら、ばらばらでやっていたからなんです。じゃ、歳入庁に日本年金機構の持っている記録管理のシステム全部移すんですか。一体化してやるのか分離してやるのかというのが決まってなければ歳入庁構想できないし、もしそれ分離してやるんだったらまた年金記録問題起こりますよ。
 だから、そのために、まず分離するか一体化するかを決められて、そうしたらそのために何年掛かってどういうコスト、何億掛かるかということを実務者を集めて聞いて、現場を、三鷹でも高井戸でも行って、総理が見られて決めて、その上でやるということなんですよ。そうじゃないと、何年以内に法律って書いたって、何年掛かるか分からない。
 いかがですか、そういう問題。

○野田佳彦内閣総理大臣 大事な御指摘だと思うんです。
 税と保険料のこれシステムが違います。保険料においても厚生年金と共済違います。というように、それぞれちょっと分立した形になっています。
 それをどうするかということがこれ歳入庁を推し進めていく際の大きなテーマだと思いますが、今、岡田副総理の下で実務者の検討チームをつくりまして、そしてこの四月中に一定の中間報告が出てくることになっています。その際に、今御指摘のようなテーマについても一定の方向性が出てくることを期待をしています。

○舛添要一 それから、パートの適用拡大。三百万人以上やると言われて結局四十万弱になっちゃったんですが、その議論はあるんですけれども、もっと大事なことを言いますと、実務です。
 五百一人以上の法人について適用すると提案なさっていますね、今から議論しますけど。だから、何とか会社全体の従業員は五百一人以上なんですけれども、だから本当に大企業はすぐ分かります。しかし、保険とか年金はどういう単位でお金集めているか、見ているかといったら、事業所単位なんです。そうすると、ある会社の事業所は十個あって、そこ見たって三百人しかいません、三十人しかいません。全体の数分からなければ捕捉できないんです。
 ですから、パート適用拡大、それはいいですよ、無年金の人を減らして年金の裾野を広げるというのは。妥協があったのも知っています。だけど、そのときに今言ったことがきちんと議論されているのかどうか。我々の同僚の中にも社労士の方おられますけれども、そうじゃない我々、普通分かりません、そういうことは。だけれども、まさに事業所単位か法人単位かというのを、この別があるんだということを、少なくとも総理含めてしっかりやらないとできませんということと、それから被用者年金の一元化、これは我々もずっと言ってきたことです。だから、早くやった方がいい。
 だけど、私は実は国立大学の先生していましたから、文部省共済組合の時代もあります。それから厚生年金の時代もあります。国会議員でしたから国民年金の時代もあります。そうすると、旧社会保険庁、日本年金機構に私の年金どうなっているんですかと聞いたときに、大学の先生時代の分からないんですよ。文部省の共済に一回一回聞かないと分からないんです、本当のことは。
 そうすると、そこまでシステムが違うわけですよ。そのシステムをどのようにして統合するか。そのときに、またコンピューターからコンピューターに移し替えるときに同じ年金記録問題が起こる可能性があるんで、私は、是非総理、これは我々の自戒も含めて申し上げます。私が大臣やって一番感じたのは、やっぱり現場の人の声を聞くべきだということを思いましたんで、今言ったようなことを現実の政策をやるときにきちっとおやりにならない限り、これは本当に絵にかいたもちに終わると思いますが、いかがですか。

○野田佳彦内閣総理大臣 大変実態を踏まえた貴重なアドバイスだと思うんです。
 まず最初、前段御指摘いただいたパートの社会保険の適用拡大なんですが、企業単位と事業所単位、おっしゃるとおりで、保険は事業所単位ですよね。ただし、今回は、やっぱり企業の負担能力、赤字か黒字かというのが大きいじゃないですか。それを考えると、事業所単位のままではこれはちょっと適用が難しいのではないか。だから企業単位にしているんですね。しかも、同じ企業で事業所によってばらばらの対応というのもおかしな話でございますので、そういう意味で、いろいろ議論はしましたけれども企業の単位にしたということで、ただ、実務をやる上では今の御指摘なんかはよく踏まえなければいけないというふうに思います。
 それから、被用者年金の一元化については、現段階で私どもが今用意をしようとしているのは平成十九年ベースのあの法案に基づいてでございますけれども、それについても今の委員からの実務を踏まえた御指摘は大変参考になりますので、有効に生かしていきたいというふうに思います。

○舛添要一 年金制度の改正というのはそれだけじゃない、健康保険制度と裏表なんです。ですから、是非これは今言った議論をしっかりなさっていただきたい。
 それから、先ほどのインフルエンザについて一つ最後申し上げますと、担当の役所に聞きましたけれども、これ、きちんと審議会で議論をしていないそうなんです。私は、この新型インフルのように、まさに命にかかわるのでみんな国民大関心ですよ。是非、これは万機公論に決すべしで、いろんな人の意見を聞く場をつくらないといけない。審議会が、そのものが悪いんじゃないんですよ。審議会のメンバーに役所の御用学者ばっかり入れるから悪いんですよ。だから、審議会、私は半分は御用学者でも半分は反厚労省の先生たちを入れましたよ。だから、そういうことをして工夫すれば出てくる。
 それから、あのときのインフルのとき、官邸が集めたのは教授以上じゃないと駄目だと。大体、教授なんてもう上がった人ですから。(発言する者あり)いや、私、大学の先生していたから分かるから、助教授とかの優秀なのが現場でやっているので、例えばそんな権威主義もいけません。
 ですから、是非、審議会をきちんと活用するというか、もう少し国民の意見を聞きながらやるということをやっていただければと思っておりますが、最後に一言お願いします。

○石井一委員長 総理、総括してください。

○野田佳彦内閣総理大臣 大変有り難いアドバイスとして、しかと受け止めさせていただきます。ありがとうございました。

○舛添要一 終わります。

○石井一委員長 以上で舛添講義、舛添要一君、新党改革の質疑は終了いたしました。(拍手)
 これにて野田内閣の基本姿勢に関する集中審議は終了いたしました。
 次回は明五日午前九時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。

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