○石井一予算委員長 次に、舛添要一君の質疑を行います。舛添君。
○舛添要一 今日は、社会保障と税の一体改革について総理と御議論したいと思います。
この一体改革なんですけれども、何か消費税増税論議ばかりになって、ちょっと矮小化されてきているような気がしてなりません。そして、たしか今月いっぱいに閣議決定なさるという御決断でしょうけれども、民主党の中にも反対派がいる。この一体改革の進捗状況、そして今のような状況について、総理はどういう御認識をお持ちになっておられますでしょうか。
○野田佳彦内閣総理大臣 まさに一体改革でなくてはいけないと思っておりまして、今、舛添委員から御指摘のとおり、どうもちょっと国民の御負担をお願いする部分だけがクローズアップされておりますけれども、何のための改革かというと、これは社会保障改革が待ったなしの状況である、その改革をやるために安定財源を確保して社会保障を持続可能なものにしていくということがメーンなんです。
特に、まあ社会保障の考え方はいろいろあるかもしれませんが、この国会でも御議論いただいている基礎年金の問題含めて、なかなかその財源確保に苦労していて、もうワンショットでは駄目だという状況に来ているということ、それから社会保障の安定化の話と、加えて、やっぱり全世代対応型、特にこれまで人生前半の社会保障が手薄でございましたので、そちらの働き盛りの世代、若い人たちにも社会保障の恩恵を感じてもらえるようにしていくこと等々の改革をやり遂げるということが一番のこれはベースにあります。
それを支えるために、これは全ての世代にとって公平な消費税において対応しようというのが今回の趣旨でございますので、これはあらゆる機会にそのことをしっかりとお伝えをしていくことが大事だと思います。
現状は、今、進捗状況のお話ございましたが、去年成案を作り、そして一月六日に素案をまとめ、そしてその素案を閣議決定をして大綱までにしました。大枠は基本的に変わっておりませんので、基本的にはそれに基づいて法案の提出を年度内にしたいというふうに考えております。
○舛添要一 総理の御意図はよく分かるんですけれども、あえて言うとアブ蜂取らず。つまり、税制と社会保障、二つ課題ありますね。もっと言うと、二兎を追う者は一兎も得ずみたいな状況になっているんではないかと。この予算委員会の議論でもありましたけれども、じゃ、具体的にどういう社会保障制度をきちんと構築するのか、医療でも介護でも年金でも、それもちょっと突っ込みが足りない。
それから、財源の確保についてですが、せっかく政権交代したわけですから、民主党政権というのはどういう税制改革の全体図を持っているのか。私が見る限りは、自公政権のほとんど延長線上のように見えてならないんです、両方の改革についても。そういう点について、これは総理でも担当の副総理でも構いません、どういう御認識を持っていらっしゃいますか。
○岡田克也内閣府特命担当大臣(行政刷新) この社会保障・税一体改革ですけれども、確かに委員が厚労大臣を長く務められたその間にも議論されてきたことだと思います。そういう意味では、これは続いている話、政権交代してがらっと変わった話ではなくて、かなり共通性を持ったものでございます。そういう社会保障制度の改革でございます。なるべくこれは今の野党の皆さんも御理解もいただきながら、与党、野党を超えてしっかりと合意に達したいと、そういう思いの中でつくってきたものでございます。
税についても、消費税以外についても、例えば我々は所得税の最高税率を上げたり、相続税の最高税率を上げたり、そういうことも今回の改革の中に入っておりますけれども、最も大きいのは確かに消費税の五%引上げ。ここも、そういう意味では自民党、公明党が与党だった時代からの延長線上であるということも言えるかと思っております。それゆえにといいますか、だからこそ、当時の与党だった皆様の御理解も御賛同もいただいて、是非この待ったなしの改革を前に進めさせていただきたいというふうに考えております。
○舛添要一 総理、副総理、今私が厚労大臣時代の話が出ましたけれども、私はこういうふうに思っているのは、小泉改革のマイナス点が出てきました、福田内閣のときに、これは少し是正しないといけない、しかしやっぱり国民に御負担をお願いする以上はいい社会保障制度をつくる、つまり社会保障制度をより良きものにするための、もっと言うと目的税的な、社会保障目的税的な消費税議論であろうと、それでスタートしたんです。
ところが、その後のこの最近の経過を見ていますと、むしろ私は一体改革は成功させないとと思っていますから、だからこそ分離して議論した方がいいような気がしているんです。いかがですか。
○岡田克也内閣府特命担当大臣(行政刷新) 分離して議論するということの意味が、どういう趣旨でおっしゃっているのか分かりません。
我々、今後、この社会保障・税一体改革、関連法案たくさんございます。税制だけではございません、もちろん社会保障についての法案がございます。これをどういう形で議論していくかというのはこれからの国会での御相談ということだと思います。
○舛添要一 なぜそういうことを言うかといったら、全部消費税の話になっちゃっているんですよ。つまり、消費税上げる、消費税上げることがまずありき。じゃ、理由付け。年金大変だろう、介護大変だろう、医療大変だろう、こうなっちゃっている。私はこれは順番が逆だと思っている。社会が変わってきた、少子化の時代になってきた、高度成長できなくなった、そうすると社会保障全体を変えないといけない。
それから、私は、野党時代に皆さんがずっとおっしゃってきた税制改革案に相当賛成なものがあるんです。例えば、控除から手当へ、源泉徴収制度、こんなものナチの、政権を取るためにナチスがやったやつですよ、年末調整まで含めてやっているような制度は先進国にない、やめるとおっしゃったでしょう。
例えばこの二つについてどういう税制案を、民主党政権になったんだからこうだと。それを別々にやって、お金要りますよ、社会保障制度やるんだったら財源要りますよ。だから、別々にきちんと提示して、それでリンケージやった方がいいんで、今はもう全部消費税増税が先にありきと、そういうように思っていますから、厚労大臣でも財務大臣でも、今私が二つ、三つのことを言いましたけれども、答えられることがあったら答えてください。
○安住淳財務大臣 源泉徴収制度は昭和十五年に月給取りの人から取り始めたことは事実ですけれども、ナチスの例を例えたのかどうかはちょっと分かりませんけれども……(発言する者あり)ナチスですか。ところが、もうちょっとひもとくと、日清戦争が終わった直後に国債の利子から徴収している事実があるそうですから、導入はもしかしたら我が国が最初の可能性もあるということなんですが、ただ、いずれにしても、先生おっしゃるように、世界各国を見ますと、アメリカが一番いい例ですが、納税意識を高めるために申告制度を取っていると。しかしほかでは、やっぱり徴税しやすいと言ったら語弊があるかもしれませんが、源泉徴収手法になっていると。
私も昔、月給取りだったころは、当時、二十数年前ですけれども、お見合いすると何か手取りは幾らだというふうなことを、だから手取りというのは、要するに給料分の手取りが入ることばっかり当時のサラリーマンの人はみんな何か意識していた、つまり取られる税金のことに対する自覚がなかったと。しかし、それは、いや、私の例ではなくて、そういう……(発言する者あり)そうですか、はい。
ですから、舛添さん、これは、源泉徴収にはいいところと悪いところがあるので、こういうことを是非国会でも私は議論するのは重要なことだと思っております。
○舛添要一 だから、財務大臣になってそう変わっちゃ駄目ですよ。だって野党のときはやるって言っていて、だから、そこがマニフェストがうそつきだということになる。
小宮山大臣、どうですか。
○小宮山洋子厚生労働大臣 今委員がおっしゃいました控除から手当へという考え方、御賛同いただいてありがとうございます。これは民主党の税調でずっと言ってきたことで、高所得者に有利な控除から、必要な人に社会保障の手当てとしての手当に変えていく、その第一弾として子ども手当をやったわけですけれども、ちょっといろいろな財源の見通しなどがまだまだ付かない部分があってお約束どおりいっていない点は大変申し訳ないと思いますが、考え方としては、複雑な控除をなるべくスリム化をして必要な手当にすると、そういう考え方でやっているところで、それは今も変わらずやっております。
○舛添要一 ただ、その一体改革の大綱を見てもちゃんと答え出ていないんですよ。人的控除、特定控除、それから給与所得控除をどうするか。だから、国民が民主党に期待持って、こう変わると、それが見えてこないんで、それは財務大臣でもいいですから、控除から手当へとなったらどういうふうに変わって、どういう我々が元気になるんですか。誰か答えられますか。
○岡田克也内閣府特命担当大臣(行政刷新) 子ども手当については、今厚労大臣言われたように、これはもう既に一部実現しているということでございます。
やはり所得が、どうしても控除制度というのは所得の多い方に有利、特に税額控除じゃなくて所得控除になればそういうことでございます。それに対して手当というのは、基本的に同じ額が所得の多寡あるいは所得税を納めているいないにかかわらず行き届くということで、そういう意味で非常に意味のあることだと思います。我々は今、給付付き税額控除ということを一つ申し上げているわけですが、そういった話もその延長線上にあることでございます。
ただ、今回の社会保障・税一体改革は、やっぱり野党の皆様の賛同もいただきながら成立させなければいけませんので、我々としても、どこまで民主党が従来考えていたことを盛り込むべきなのかと、そこは相当逡巡しながら今の姿になっているということでございます。
○舛添要一 今苦しい答弁なさいましたけれども、要するに、控除から手当だったら、控除に貧富の多寡がないわけですから、差がないんだから、手当付けちゃいけないとおっしゃいましたね。じゃ、何で子ども手当、所得に応じて変えるんですかということになるんです。
ですから、そういう原理原則をしっかり守りながら、いや、それは与野党のねじれ国会だから云々というのは分かりますよ。だけど、それを言い出すと、何のために政権交代して、何のためにマニフェストを掲げたか分からなくなるので、もう一遍やっぱり原理原則に戻った方がいいように思いますが、総理、どうですか。
○野田佳彦内閣総理大臣 税制については、私は、基本的には自分たちの考え方は一貫してきていると。その実現度についての評価はいろいろあるかもしれませんが、いろんな考えがあると思うんですが、私は、人類が命懸けで獲得した価値は自由と平等だと思うんです。時折、自由という右足を出さなければいけないときもある。今は格差の是正とか貧困対策って重要になってまいりましたので、左足の平等を出さなければいけないときだと思います。これ私はバランスよく二足で歩行をしていくというのが英知だと思うんですが、その意味では、税制については、所得もあるいは資産等々も、これはどちらかというと再分配機能を強化するという方向で税制改正やろうとしています。控除から手当というのもその理念の一環でございますので、これは是非基本的には貫徹をしていきたいと思います。
加えて、消費税については、これは消費税についてはですよ、これはやっぱり社会保障は給付の面においても世代間の公平を図っていかなければなりません。負担の面においても世代間の公平を図ると。そういう視点から社会保障については消費税をお願いをすると。これは給付と負担と一貫した論理でこれを説明する必要があるというふうに思っております。
○舛添要一 そうすると、全世代型、世代間公平ということをおっしゃいますね。ならば、例えば、公的な支出で高齢者向けと若者向け、簡単に言うと一対七ぐらい、高齢者の方が多いんです、日本。北欧だと一対二ぐらいですね。だから、じゃ具体的に、大綱の中でいろいろ若者向けの投資についておっしゃっているんだけれども、具体的に踏み込んで、この一対七を一対二ぐらいに縮める方策というのはどういうふうに具体的におやりになるんですか。それが見えないんですよ。
だから、例えば窓口に行って、現役が行くと三割払いますね、病院に行ったときに病院の窓口で。御高齢になると一割です。この差を論理的にどう説明するか。こういうことを含めて、明確にどちら向きに、全世代型と言葉だけなんですよ、その具体性をもっと書いてくれないと社会保障の新しい像にならないと思いますが、いかがですか。
○岡田克也内閣府特命担当大臣(行政刷新) 今委員御指摘の一割、三割の話というのは、確かに、一見それは現役世代により負担が重くなっているように受け取られるかもしれませんが、私は必ずしもそうは考えていないんですね。
つまり、やはり一人当たりの医療費ということで見れば、高齢者は圧倒的に多い。病気にかかりやすいし、治りにくい。そういう中で、同じ一割の負担、三割の負担といっても額でいうとかなり違うわけですから、そこのところも考慮し、同時に、やはり所得の多寡、現役世代と高齢者でですね、高齢者ももちろん所得の多い方もいらっしゃるけれども、多くの方は所得が少ないわけですから、そういう意味で私は、一割、三割というのは合理性があるというふうに思います。もちろん、その間、二割をどうするかという問題は残ります。
あと、我々が今回の社会保障・税一体改革で強調しているのは子ども・子育てで、ここには、消費税五%のうちの実は四%は維持のために使うということで、一%は新しいことのために使う、その一%分のうちの七千億は子ども・子育てのために使うということで、ここは、今までにない、社会保障三事業から四事業へ、年金、医療、介護プラス子ども・子育てということで強調させていただいているところでございます。
○舛添要一 今窓口の話に、ちょっと問題小さくなりましたけれども、受益と負担ということを考えたときに、それは高齢者の保険制度、先ほど議論に出ましたけれども、全部高齢者が出しているわけじゃないですよ、ほとんど現役が出していますよ。
だから、それは私が大臣のときに皆さん方がどういう批判をしてきたか。もうとにかく後期高齢者医療制度、こんなにひどいものはないということで、メディア含めて言ってきましたね。しかし、そのときにほとんどのお金が現役から来ているという前提を置けば、それは窓口一割、三割の話じゃないと思いますよ。こういうことをしっかり受益と負担の関係をしない限りは、社会保障の全体像が明確にならないんですよ。
そこは、これは厚労大臣でもいいですよ、そこは総理、どう考えられますか。
○小宮山洋子厚生労働大臣 それは委員がおっしゃるとおりだというふうに思います。
ですから、今回、二〇一五年までの第一歩という形で改革を出しておりますけれども、まだその全体像が、今回一歩のところで幾つかの改革を出していることの効果がどう出るかということも含めて、それは、先ほどからおっしゃっていること全てと言っていいほど私はそのとおりだと思っておりまして、ただ、社会保障給付費は高齢者と子供が七対一ではなくて十七対一なんですね。
ですから、そこのところを今、本当に一%のうちの僅かですが、そのうちの三分の一近くを子供に入れることによってまず一歩を踏み出したいということでございまして、そういう意味では、御高齢な方でも所得がおありの方にはもっと負担をしていただくとか、今回切り込み不足と言われているところもたくさんございますので、ここはしっかりと検討をして進めていきたいというふうに思います。
○舛添要一 一対七とか一対十七というのは統計の取り方なんで、私が取った統計では七・三倍ぐらいだということを申し上げておきたいと思います。
それから、全世代型の公平云々ということを、ないし世代間だけじゃなく世代内の公平も考えますと、総理、やっぱり私は冒頭に原理原則から議論し直しましょうと。それが実は与野党協議ができる前提だと思うんです。例えば、もう本当、当たり前のことなんですけれども、保険か税かと、こういう議論をやり直さないといけないですよ。社会保険料は貧しい人にとっては物すごく重いですよ。金持ちであったって貧しくたって介護保険料変わりませんから。そうすると、民主党が政権取ったんならば、社会保険料、社会保険という形ではなくて、できるだけ税に近づけていく。もっと言うと、保険原理でいくのか所得の再配分原理でいくのかというようなことを議論しないといけないですけれども。
じゃ、最低保障年金というのはどっちの原理に立つんですか。
○岡田克也内閣府特命担当大臣(行政刷新) 最低保障年金は税でございます。私は、委員の言われることはよく分かりますし、私もほぼ同じような考え方。ですから、この今回の改革の後、より根本的な改革というのは私、これは本当に議論しなきゃいけないんだと思うんです。
つまり、税と保険というものをもう少しきちんと役割を分けて、我々のこの年金制度というのは、実は最低保障年金というのは税でやり、そして所得比例年金は保険料ということで、そういう考え方をある意味では先取りしているわけですが、やっぱり現役世代からたくさん保険料を取ってそれを高齢者に回すというやり方が果たしていいのかどうかと。それは、本来税が担うべき分野ではないかというようなことも含めて、私はまだまだ大きな改革論議というものはやっていかなければいけないと。
しかし、時間は待ってくれませんから、まずは今回、この消費税を五%引き上げさせていただく中で四%分を持続可能のために、そして一%を、小さな一歩かもしれませんが、新しく子ども・子育てという今までにない踏み出しをさせていただいていると、こういうことだと思います。
○舛添要一 やっぱり順序が逆のように、今のおっしゃり方だとね。五%引き上げるということをまず最初におっしゃった。そうじゃなくて、かくかくしかじかなことをやるから、五%だったら十三兆円ぐらいこれが必要ですとおっしゃっていただければ分かるんですね。
それから、この一体改革の大綱についてこういう言葉があって、私がちょっと引っかかったのは、その今の消費税、消費税収については、その使い道を明確にし、官の肥大化には使わず全て国民に還元し、社会保障財源化する。だけど、よく物事を考えないでこういうことをすっと書いていいんですか。
というのは、要するに、セーフティーネットの役割というのは戦後の繁栄した高度経済成長時代は会社が担っていたわけですよ、特に大企業であれば。ところが、それができなくなっているから官が担わないといけない、政府が、地方、中央を問わず。そうすると、官が担うんなら、言いたいことは分かりますよ、官で無駄なことを、役人の無駄を省けということを言っているのは分かるけれども、すっとこういうところに官の肥大化といって、全て国民に還元し、全て国民に還元する中で、それは厚労大臣分かると思いますけれども、厚労省の役人なんて、それはもうもっと欲しいですよ、数が、労働だって何にしたって、医療だって。
だから、そういうことを考えれば、セーフティーネットの役割を国がしっかりやるんだと、したがってその財源は税金ですよと。そのときに、そこから先はお金持ちに、せいぜい四〇%を四五%、五%を五千万円以上に上げただけじゃないですか。もっと言うと、それは八割大金持ちには掛けますよぐらいのことを、極端に言えばですよ、であれば政権交代の意味は分かるけれども、じゃ、なぜ消費税なのかという議論も十分じゃないと思うし、今私が言ったような問題点でセーフティーネットをきちんとやる、しかし受益と負担の関係をしっかりするために保険原理もちゃんとやる。この二つをきちんと整理していただきたいと思いますが、いかがですか。
○岡田克也内閣府特命担当大臣(行政刷新) 今回のこの社会保障・税一体改革、その前提として、今委員が言われたことにも共通するわけですが、一つはやはり、従来この社会保障をある意味で担ってきた企業だとか地域社会とかあるいは大家族とか、そういったところが従来より残念ながら弱くなってしまった。そこは、代わるものはやはり国であります。あるいは公と言ってもいいかもしれません。そこがもう少し前面に出なければいけないと。
それからもう一つは、経済のグローバル化もその大きな原因の一つだと思いますが、やっぱり貧富の格差が広がった、同じ世代の中でもその格差が拡大していると。そこにしっかりと、特に貧困対策といいますか、そういったことをしっかりやらなきゃいけない。そういった問題意識があって我々の社会保障・税一体改革は成り立っていると。確かに取組としてはそれは十分とは言えないかもしれませんが、かなりそういったものは出ているわけです。
例えば年金にしても、我々は最低保障機能を充実させるということを申し上げているわけで、所得の多い方からは、少なくとも年金の中の税金部分、これは少し削らせていただいて所得の少ない方の年金にそれを使わせていただくということも我々の改革案の中に入っているわけです。あるいは保険料などについても、介護とか医療の保険料についてもこれを軽減する措置も考えていると。そういったことで所得が、格差が広がったことによる弊害を埋め合わせる、そういったことも我々の改革案の中に入っているということでございます。
○舛添要一 総理、私は、民主党がずっと主張なさったことにもいいこともたくさんありますから、きちんと自信を持って国民のためにこうするんだということを示してくだされば、むしろ協議に乗れますよ。だから、何でもいいからただ通さないといけない、消費税上げないといけないから議論だではちょっとおかしいなという気がしますので、そのことを申し上げて、時間が大分迫ってきましたので、ちょっと外交について議論をしたいというように思います。
普天間基地の移設の問題、私も何度も沖縄に足を運んでいますけれども、大変難しい状況になっています。それからもう一つ、北方領土問題、プーチンさんが大統領に返り咲きということで、これは普天間もリンケージを、辺野古移設とその他の基地機能の移設を、それから海兵隊の移転というのをリンケージ取り外した。いいシナリオを書けば、そのことによって雰囲気も良くなる。三千億円の一括交付金もプラスになる。
それから、北方領土について言うと、恐らくプーチンさんは二島返還で来ると思いますね、それと経済協力。しかし、そういうことを始めることによって最後は我々の目標である四島を取り戻す、そういういいシナリオを書いていく努力をしないといけないと思いますけれども、そのためにはしっかりとしたリーダーシップがないといけないと思います。
この今二つ例を挙げましたけれども、こういう現実的外交について、総理の御所見をお伺いします。
○野田佳彦内閣総理大臣 普天間の問題については、御指摘のとおり、今回パッケージを外して、在沖海兵隊のグアム移転とそれから嘉手納以南の土地返還の問題、切り離しながら進めるということで、むしろ具体的な沖縄の負担軽減が目に見える形で具体化していくことは、辺野古への移転を御理解をいただける環境整備になると思いますので、これは日米とも、あるいは沖縄ともきちっとコミュニケーションできる関係にはなってきたと思いますので、そのことを好機としてしっかり前進できるようにしたいと思います。
それから、プーチン氏には大統領選挙当選確実となったときにお電話をいたしまして祝意を申し上げましたが、その前に外国プレスとの会見の中で非常に領土問題について意欲的な発言をされています。ただ、真意は分かりません。
これは本人とお会いしてみないとよく分からない部分がありますが、恐らく舛添委員の御指摘のようなことではないかと思いますが、でも少なくとも、これは従来から余り膠着状態で進んでいなかった議論でありますけれども、彼も柔道をやります、私もやります、舛添先生もやられますが、同じ畳に上がって始めという合図を掛け合うような空気にはなっていると思いますので、彼の思っている引き分けはちょっと我々にとっては引き分けではないと思っていますが、英知ある解決を目指して議論ができる環境はできたと思いますので、これも好機としてとらえていきたいというふうに思います。
○石井一予算委員長 舛添君、時間の余裕がありますから、やっていただいていいですよ。
○舛添要一 はい、ありがとうございます。
中国について聞きます。尖閣の問題、それから最近の海洋調査、軍拡、いろいろ問題ありますが、四十周年、国交回復の記念すべき年ですから、何とか日中関係良くしないといけないと思います。
例えば、温家宝さんが福島来られて、東北来られて、子供たち招待するんだけど、どうもそれ日本政府動いていない、こういう問題もあります。
この点についても、日中関係どうするか、お答え願います。
○野田佳彦内閣総理大臣 いつも私、中国の首脳とお会いするとき申し上げている言葉があるんです。中国の発展は我が国にとってチャンスであると、チャンスである。それが前提であるんですね。
この両国の関係を強化するということは、まさにこれは戦略的互恵関係、この間、呪文のようにという言葉を使って怒られましたけれども、これはやっぱりしっかり言葉をかみしめながら、何度も繰り返しながら、お互い大局観に立っていろんな問題をクリアしていこうということは常に確認し合った方がいいと思います。
そういう関係で、日中間だけではなくて、地域の問題、グローバルな問題についても腹を割って話せるような関係に是非していきたいというふうに思います。
○舛添要一 子供の招待。東北の子供の招待。
○石井一予算委員長 もう一度どうぞ。
○舛添要一 温家宝総理が東北に来られて、子供たちを招待したいと言ったのにこれが実現しないというクレームが来ていますが、いかがになっていますか。
○玄葉光一郎外務大臣 恐らくそれは震災直後のお話でしょうか。それについてはちょっと今手元に資料がございませんので、調べさせていただければというふうに思っております。
○舛添要一 中国はやっぱり引っ越しできないお隣ですから、いろんな問題があるんですけれども、民間の交流も含めて少しきずなを強くしないといけないというように思っています。問題があるときはしっかり問題を言えるということが必要だと思っています。
今日のような国会の議論を通じまして、私は被災地に何度も足を運びましたけれども、国会何やっているんだ、政治何やっているんだ、瓦れきの山を見てくれと。私は今こそみんなで力を合わせて前に進めるべきときだと思いますから、批判すべきは批判する、今日のような問題の指摘はいたします。しかし、やはりきちんと議論をする上で、これは与野党協力して一刻も早く日本の復興、そして日本の再生を図らないといけないと。そのためにも是非野田総理にしっかりとしたリーダーシップを取っていただきたいということを申し上げて、質問を終わります。
ありがとうございました。
○石井一予算委員長 以上で舛添要一君の新党改革の質疑は終了いたしました。(拍手)
第一日の午前が終わりましたとき六十五分の遅延がございましたが、各委員の御協力によりまして今日は予定よりも四十分前に委員会が終了をする。片道の運営がいかに難しいか、委員長がいかに神経をとがらすかということを申し上げておきたいと思います。参議院の委員会は今後延々と続きますので、たまにはこういうときもあってもいいと思いますから。
本日はこれにて閉会することとし、次回は明十四日午前九時五十五分から開会することとし、これにて散会いたします。