戦後日本の幻影 オウム真理教
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著者:
舛添要一
出版社: 現代書林
発行日: 1995年8月19日
定価: 1,500円(消費税込)
「戦後民主主義」が生み落とした「蛇の卵」が、戦後50年に孵化し、毒蛇となったのがオウム真理教である。 この狂気の集団を語ることは、日本の戦後50年の歩みが積み重ねてきた病理を白日の下に明らかにすることである。 その病いがいかに深刻であるかを理解するためには、たとえ醜悪であっても、その実態を直視するほかはないのである。

序--何が若者たちを「オウム」に走らせたのか

第1章 「オウム真理教」事件が意味するもの
・次々と明るみに出る「オウム」の犯罪
・妄想教団はどのようにして誕生したのか
・妄想教団を支えた「甘えの構造」
・カルト教団「オウム」の支配構造

第2章 「戦後民主主義」の幻影
・自民党長期一党支配が残した物
・国民の情熱が裏切られた「政治改革」
・宗教問題をタブー視してきた政治
・「公益」ということを疑え
・「危機管理」を怠ってきた戦後日本

第3章 「オウム」を生み出した戦後教育
・「オウム」はなぜ、無差別テロに行き着いたのか
・「父親不在」下の「よい子」たち
・「偏差値エリート」たちの悲劇

第4章 「コンピュータ世代」の犯罪
・SFアニメからハルマゲドンへ
・超能力の誘惑とメディアの責任
・暴走するヴァーチャル・リアリティ

第5章 大衆の独裁的支配のメカニズム
・ファナティシズムも克服できなかった戦後日本
・暴走した多重人格のエリートたち
・眠れる「蛇の卵」たち

第6章 「オウム」のあとに来るもの
・カルトとの戦い
・今こそ必要な「戦後民主主義」の総点検
・迫られる新しい生き甲斐の模索

あとがき